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2023.02.07
【パーパス・マネジメント著者が紐解く】パーパス起点の一貫したコミュニケーション戦略を実践し、効果を生み出すには
ここ数年、注目度が飛躍的に高まっているパーパスですが、作りはしたものの社員に根付かず、悩んでいる企業も少なくないのではないでしょうか。本記事では、アイディール・リーダーズ株式会社 共同創業者/CHOで書籍『パーパス・マネジメント 社員の幸せを大切にする経営』の著者でもある丹羽 真理氏による講演、同氏とコネクティ 代表取締役社長・服部 恭之によるトークセッションなどから、パーパス浸透とパーパス起点のコミュニケーション実践のヒントを紹介します。
丹羽氏が共同創業者として設立したアイディール・リーダーズは、2005年に野村総合研究所の社内ベンチャーとして誕生した会社です。事業としては、企業や経営者にパーパスを起点としたコンサルティングを提供するパーパスマネジメント、及び経営者・ビジネスリーダーにコーチングを提供するエグゼクティブコーチングの2つを柱としています。
企業には、ミッションやビジョン、バリューといったパーパスと似たものも存在します。この違いがはっきりせず、混乱している企業もあるはずです。丹羽氏によると、ビジョンは具体的な将来像を指し示す“WHERE”、バリューは日々の仕事で意識すべき行動指針やマインドセットとしての“HOW”、そしてミッションはビジョンやパーパスを実現するために実際に行う“WHAT”であり、ミッションの中に企業の社会的意義を示す要素が含まれている場合はパーパスと呼んでも差し支えないとの認識を示しました。
パーパスは作ったものの、現実に社員へ浸透していないという声もよく聞くと丹羽氏。「パーパスは作って終わりの絵に描いた餅ではありません。せっかく作ったなら、社員が自分ごととして感じ、パーパスに沿って仕事を実践していくことが大事です。パーパスを体現する経営、すなわちパーパスマネジメントが大切になります」と指摘しました。
このパーパスマネジメントには3つのステップがあり、最初のステップである「発見」(自社の存在意義を見出し、言葉を作ること)のあと、「共鳴」、「実装」へと続いていきます。共鳴のフェーズは浸透という言い方もできるが、同社では上からの押し付けの印象を避け、共感の輪が広がっていくイメージからあえて「共鳴」を採用しています。
このパーパスマネジメントには3つのステップがあり、最初のステップである「発見」(自社の存在意義を見出し、言葉を作ること)のあと、「共鳴」、「実装」へと続いていきます。共鳴のフェーズは浸透という言い方もできるが、同社では上からの押し付けの印象を避け、共感の輪が広がっていくイメージからあえて「共鳴」を採用しています。
社員がパーパスを自分ごとと捉えるようになるには、言葉の認知、理解のあとで共感を生み出すことがポイントとなり、そこに冒頭で紹介した個人のパーパスが関わってきます。 「個人のパーパスと組織のパーパスの間につながりを感じられれば、パーパスを自分ごとと捉え、共感を抱きやすいと思います」と丹羽氏。そのためにも、社員一人ひとりが自分自身のパーパスを明確に持つことが重要で、その個人のパーパスを組織のパーパスと見比べ、重なりを実感していくプロセスが実は大切だと強調しました。
同社は多くの企業のパーパスに関わる活動を支援しています。この1、2年でも個人のパーパスを見つけるためのワークショップを多数開いており、同様のプロセスに取り組みたい企業にはワークショップがおすすめだといいます。加えて、ワークショップだけではその日限りの盛り上がりに終わってしまうケースがあるため、できれば日常のフローの中、たとえば1on1やチームミーティングなどに仕組みとして取り入れるのがベターだと話しました。
そして3つ目のステップ、実装について。これは意思決定のあり方や戦略立案、商品開発、情報発信、人材育成なども含め、社内外向けのあらゆる施策をパーパス起点に変えていくステップであり、いわばパーパスマネジメントの本丸です。イメージとしては、パーパスを軸に戦略、マーケティング、人事、財務などあらゆるものがつながり、社内外に一貫したメッセージと経営方針が伝わっている状態を目指します。「言っていることと行っていることに一貫性があれば、社員の納得度・共感度が高まるだけでなく、社外からも“ブレない会社”と見えて、応援されやすくなります」と丹羽氏は力説しました。
そして3つ目のステップ、実装について。これは意思決定のあり方や戦略立案、商品開発、情報発信、人材育成なども含め、社内外向けのあらゆる施策をパーパス起点に変えていくステップであり、いわばパーパスマネジメントの本丸です。
続いて行われた丹羽氏とコネクティ・服部のトークセッションは、「社会から共感を得るパーパスドリブンなコーポレートコミュニケーション」がテーマ。コネクティは企業のパーパス策定から実装までをサポートしており、企業Webサイトのコンテンツ作成はもちろん、Webサイトそのもののリニューアル、Webデータの分析とコンサルティング、さらにはCMS(コンテンツ管理システム)やCDN(カスタマーデータプラットフォーム)基盤の提供もワンストップで手掛けています。
服部は、パーパスを策定しながら社員になかなか浸透しなかった自社経験も踏まえ、丹羽氏に多彩な質問を繰り出しました。まず、社員が多く、パーパスへの共鳴に向け全員を対象としたワークショップを行うのが難しい大企業がとるべきアプローチを質問。これに対して丹羽氏は「社内ファシリテーターを養成し、その人たちが自らの拠点でワークショップを展開する方法があります。当社の顧客で5,000人規模の社員を抱える企業は、20人程度のファシリテーターを育てています」と回答。その役割は、希望者を募る、幹部層や管理職が担うなど会社の事情に合わせて考え、実施方法もワークショップや1on1など適したものから選ぶのがいいと話しました。
続いて服部は、まだパーパスがない会社が策定していくにはどういった進め方がいいのかと尋ねました。丹羽氏はこれについても会社によって多様なケースがあると前置きしながら、「より多くの人を巻き込みながら作っていくのがおすすめです。なぜかというと、その過程で共鳴がかなり進むからです。策定段階から関わる人が多ければ多いほど、次の共鳴のステップは楽になりますね」と答えました。
さらに服部は、自社の社会における存在意義を考え、事業と社会の接点をパーパスに盛り込もうとすると大きなものになりがちで難しいと問題提起。これに対して丹羽氏は「パーパスにはどんな社会をつくりたいかというニュアンスが何かしら入っていることが必要ですが、必ずしも地球環境や大きな社会課題に直接結び付けなくても大丈夫です。自社の事業で社会に貢献するという話が含まれていれば問題ないと思います」と答えました。
最後に服部は、丹羽氏が講演の最後で触れた一貫性という言葉が「ものすごく大切なキーワード」だと指摘。社会から共感を得るパーパスドリブンなコーポレートコミュニケーションを実践するための答えも、この「一貫性」という言葉の中にあると語りました。また丹羽氏は、今後も多くの会社でパーパスを作る動きが出てくるだろうが、とにかくパーパスを“作って終わり”にしないことが重要だと繰り返し強調しました。
続いて服部は、まだパーパスがない会社が策定していくにはどういった進め方がいいのかと尋ねました。丹羽氏はこれについても会社によって多様なケースがあると前置きしながら、「より多くの人を巻き込みながら作っていくのがおすすめです。なぜかというと、その過程で共鳴がかなり進むからです。策定段階から関わる人が多ければ多いほど、次の共鳴のステップは楽になりますね」と答えました。
さらに服部は、自社の社会における存在意義を考え、事業と社会の接点をパーパスに盛り込もうとすると大きなものになりがちで難しいと問題提起。これに対して丹羽氏は「パーパスにはどんな社会をつくりたいかというニュアンスが何かしら入っていることが必要ですが、必ずしも地球環境や大きな社会課題に直接結び付けなくても大丈夫です。自社の事業で社会に貢献するという話が含まれていれば問題ないと思います」と答えました。
最後に服部は、丹羽氏が講演の最後で触れた一貫性という言葉が「ものすごく大切なキーワード」だと指摘。社会から共感を得るパーパスドリブンなコーポレートコミュニケーションを実践するための答えも、この「一貫性」という言葉の中にあると語りました。また丹羽氏は、今後も多くの会社でパーパスを作る動きが出てくるだろうが、とにかくパーパスを“作って終わり”にしないことが重要だと繰り返し強調しました。
検討のフェーズからコネクティがサポートできることとして、服部は「WHY?」「WHAT?」「HOW?」の3つのブロックに分けて解説しました。まずは「WHY?」におけるパーパス策定。パーパスをまだ持たない企業へのサポートはここから始まることも多いです。すでにパーパスがある会社、あるいはコネクティがパーパス策定を支援した会社は、次の「WHAT?」で、パーパスをどういった具体的な価値や顧客にとってのベネフィットとして表現していくか、そのストーリーラインを描き、顧客に伝えるためのコミュニケーションやマーケティング戦略に落とし込んでいきます。
そして3つ目の「HOW?」が、実装の部分です。Webサイトを通じて発信するならその設計、メディア展開するならその方法、あるいはSNSとの連携なども含め、より効果的な手段を考えていきます。
続いて服部は、パーパスドリブンなコミュニケーションを実践する戦略として、Webリニューアルを例に解説を加えました。「WHY」のパーパス策定、もしくはすでにあるパーパスを「WHAT」に落とし込む作業を行わず、いきなり「HOW」のWebサイト作りから入ってしまうと、サイト全体にパーパスと照らした一貫性が生まれず、バラバラなメッセージを発信するページが乱立してしまうと指摘。だからこそ、やはりパーパスありきでストーリーラインを考え、そのストーリーに対して一貫性をもって発信する設計にしていくことが共感の醸成につながり、まさにパーパスドリブンな戦略であると語りました。
続いて服部は、パーパスドリブンなコミュニケーションを実践する戦略として、Webリニューアルを例に解説を加えました。「WHY」のパーパス策定、もしくはすでにあるパーパスを「WHAT」に落とし込む作業を行わず、いきなり「HOW」のWebサイト作りから入ってしまうと、サイト全体にパーパスと照らした一貫性が生まれず、バラバラなメッセージを発信するページが乱立してしまうと指摘。だからこそ、やはりパーパスありきでストーリーラインを考え、そのストーリーに対して一貫性をもって発信する設計にしていくことが共感の醸成につながり、まさにパーパスドリブンな戦略であると語りました。
そのうえで、これまでコネクティとしてパーパスドリブンなサイトリニューアルを行ってきた様々な事例を紹介。セゾン投信様でのサイトリニューアルを含むリブランディングのケースや、大手B2Bメーカーにおけるパーパスを上手く取り込んだリニューアル事例等が紹介しました。
服部は最後に、このようにして構築したコンテンツを管理運用していくためのクラウドCMS Connecty CMS on Demandや、顧客分析を通じてデータマネジメントを行うCDP Connecty CDP、さらには配信のソリューションまで含めたデジタル統合プラットフォームを提供していることを紹介。コネクティのプラットフォームを活用することで、より効果的なパーパスドリブンのコミュニケーション戦略を推進できると強調し、セッションを終了しました。
服部は最後に、このようにして構築したコンテンツを管理運用していくためのクラウドCMS Connecty CMS on Demandや、顧客分析を通じてデータマネジメントを行うCDP Connecty CDP、さらには配信のソリューションまで含めたデジタル統合プラットフォームを提供していることを紹介。コネクティのプラットフォームを活用することで、より効果的なパーパスドリブンのコミュニケーション戦略を推進できると強調し、セッションを終了しました。
【パーパス経営の権威、名和 高司 氏】 社員の生産性と創造性に火をつけるパーパス経営とは
※本記事はマイナビニュース TECH+に掲載されたイベントレポートです。