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【徹底解説】マーケティングROIとは?計算方法からWeb戦略での改善ポイントまで 【徹底解説】マーケティングROIとは?計算方法からWeb戦略での改善ポイントまで

2025.09.22

【徹底解説】マーケティングROIとは?計算方法からWeb戦略での改善ポイントまで

「マーケティングROI」の計算、できていますか?本記事ではROIの基本から、ROASとの違い、具体的な計算方法まで分かりやすく解説。さらに、Webサイトを活用してROIを改善する具体的なWeb戦略、陥りがちな注意点も紹介。施策の費用対効果を可視化し、成果を最大化したいマーケター必見です。

#サイトリニューアル#DX#デジタルマーケティング#SEO

「かけた予算に見合う成果は出ているのか?」「どの施策に注力すれば、事業がもっとも成長するのか?」

マーケターとして、上司や経営層からこう問われた時、あなたは明確な根拠をもって答えられていますか? 感覚や経験だけでなく、数値を基にマーケティング施策の価値を証明できなければ、予算の獲得や適切な評価を得ることは難しくなります。

その最強の武器となるのが「マーケティングROI(投資収益率)」です。

この記事でわかること

  • マーケティングROIの正しい計算方法が身につき、自社の施策にすぐ応用できる。
  • 施策の成果を「売上」ではなく「利益」ベースの数字で、誰にでも明確に説明できるようになる。
  • どの施策に予算を投じるべきか、データに基づいた自信のある判断ができるようになる。
  • Webサイトを活用してROIを改善するための、具体的なアクションプランがわかる。

もしあなたが、日々の業務の費用対効果に悩みマーケティングの成果を最大化したいと本気で考えているなら、この記事を読んで解決策を見つけていただけたら幸いです。

まずはROIの基本と、よく似た指標であるROASとの違いをしっかり押さえましょう。

ROI = 投資が生んだ「利益」の割合

ROIとは "Return On Investment" の略で、その名の通り「投資した費用に対して、どれだけの利益を生み出せたか」をパーセンテージで示す指標です。

マーケティング活動においては、広告費や人件費といった投資(Investment)が、最終的にどれだけの利益(Return)に繋がったかを測るために使われます。ROIを算出することで、その施策が事業にとって「黒字」だったのか「赤字」だったのかを客観的に判断できるのです。

ROASとの違いは「売上」ではなく「利益」で判断する点

ROIと混同されやすい指標にROAS(広告費用対効果)があります。この2つの決定的な違いは、何を基準に効果を測るかです。

  • ROI:「利益」が基準。施策が最終的に儲かったか(事業への貢献度)を測る。
  • ROAS:「売上」が基準。投じた広告費に対して、どれだけの売上があったかを測る。

ROASが高くても、原価の高い商品ばかり売れていては、手元に残る利益は少ないかもしれません。ビジネスの最終目的である「利益」ベースで評価できる点こそ、ROIの最大の強みです。

ROIとROASの違いを示した比較表
比較項目 ROI(投資収益率) ROAS(広告費用対効果)
評価基準 利益 売上
計算式 (利益 - 投資額)÷ 投資額 売上 ÷ 広告費
わかること その施策が最終的に儲かったか 広告費に対してどれだけ売れたか
主な目的 事業全体の収益性の評価、投資判断 広告キャンペーン単体のパフォーマンス評価
長所 ビジネスへの真の貢献度がわかる 計算が比較的かんたん
注意点 利益計算に手間がかかることがある 利益が出ているとは限らない

ROIの計算は難しくありません。式の意味を理解し、自社のビジネスに当てはめてみましょう。

ROIの基本計算式

ROIは以下の式で算出します。

ROI (%) = (利益額 - 投資額) ÷ 投資額 × 100

利益額から投資額を引いたものが「純利益」です。この純利益が、元の投資額の何パーセントにあたるのかを示しています。100%なら投資額と同額の利益が出た状態、0%ならトントン、マイナスなら赤字ということです。

計算の鍵:「投資額」と「利益」の定義

正確なROIを出すには、計算に使う数字の定義が重要です。

投資額(Investment)に含めるもの

  • 広告費:リスティング広告、SNS広告などの出稿費用。
  • 人件費:施策に関わった担当者の工数(時間)を時給換算した費用。
  • 制作費:バナーや記事コンテンツ、LPなどの制作を外注した費用。
  • ツール利用料:MAツールや解析ツールなどの月額費用。

利益額(Return)の算出方法

  • 【施策経由の売上 - 売上原価】で算出するのが最も正確です。
  • 簡便的に計算する場合は、【施策経由の売上 × 平均利益率】を使います。

具体例で学ぶROI計算シミュレーション

あるECサイトが、新しいWeb広告キャンペーンを実施したケースで考えてみましょう。

【投資額】
  • 広告出稿費:50万円
  • LP制作の外注費:20万円
  • 社内担当者の人件費:10万円
  • 合計投資額:80万円
【成果】
  • キャンペーン経由の売上:400万円
  • 商品の平均利益率:30%
  • 利益額:400万円 × 30% = 120万円

この場合のROIを計算すると…

ROI = (120万円 - 80万円) ÷ 80万円 × 100 = 50%

この結果から、「80万円の投資で、40万円の純利益を生み出した(投資回収に加えて50%の利益が出た)」と評価できます。

ROIは、分析して改善に繋げてこそ意味があります。ここではROIを向上させるための代表的なWeb戦略を3つ紹介します。

戦略1:【利益率UP】CVR(コンバージョン率)の改善

Webサイトへのアクセス数や投資額が同じでも、商品購入や問い合わせに至る確率(CVR)が高まれば、売上・利益が増えROIは改善します。

  • LPO(ランディングページ最適化):広告文とLPの内容を一致させ、ユーザーの期待に応える。
  • EFO(入力フォーム最適化):フォームの項目を減らす、住所自動入力を実装するなど、ユーザーの手間を省き離脱を防ぐ。

戦略2:【長期利益UP】LTV(顧客生涯価値)の向上

LTV(Life Time Value)とは、一人の顧客が生涯にわたって企業にもたらす利益のことです。LTVが高まれば、新規顧客獲得のコスト(投資)が同じでも、総利益が増加しROIは向上します。

  • アップセル/クロスセルの促進:購入完了ページやメールで、より高額な商品や関連商品を提案する。
  • CRM(顧客関係管理)の強化:メールマガジンやLINEで顧客と継続的な関係を築き、再購入を促す。

戦略3:【コスト削減】投資の最適化

利益を増やすだけでなく、無駄な投資を減らすことでもROIは改善します。

  • 広告運用の見直し:ROIの低い広告配信先やキーワードへの出稿を停止・縮小する。
  • 業務効率化:レポート作成などをツールで自動化し、人件費(工数)を削減する。

便利なROIですが、使い方を誤ると判断を間違う可能性があります。注意すべき罠を知っておきましょう。

罠1:短期ROIの罠

SEOやSNSでのファン育成、ブランディング広告などは、すぐには利益に結びつかず、短期的なROIは低く出がちです。しかし、これらは将来の安定した利益を生むための重要な「土台作り」です。施策の特性を理解し、短期ROIと長期ROIのバランスで評価する視点が不可欠です。

罠2:ラストクリック偏重の罠

ユーザーは、商品購入(CV)の前に、SNS広告を見たり、比較記事を読んだり、様々な情報に接触しています。CV直前の広告(ラストクリック)だけを評価すると、その手前で貢献した施策の価値を見誤ります。Google Analyticsなどでアトリビューション分析を行い、間接的な効果も考慮に入れることが重要です。

マーケティングROIは、施策の成果を客観的に評価し、次の戦略を立てるための強力な羅針盤です。

明日からできる第一歩は、「あなたが今一番注力している施策のROIを、概算でも良いので計算してみること」です。

まずは現状を数字で把握することから、成果を最大化するマーケティングは始まります。ROIを使いこなし、事業成長を牽引するマーケターとして、さらなる一歩を踏み出しましょう。



【ROIを最大化したい方へ】

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Q1. ROIの目安はどれくらいですか?

A1. 業界やビジネスモデル、施策の目的によって大きく異なるため、一概に「何%以上なら良い」という明確な基準はありません。まずは自社の過去の施策データと比較したり、競合の動向を参考にしたりしながら、自社なりの目標値を設定することが重要です。一般的に、100%を超えていれば投資回収ができていると言えます。

Q2. ROIが赤字(マイナス)になった施策は、すぐにやめるべきですか?

A2. すぐにやめるのは早計かもしれません。まずは「なぜROIが低かったのか」を分析しましょう。ターゲットがずれていた、クリエイティブが響かなかったなど、改善できる点があるかもしれません。テスト的に改善策を実施し、それでもROIが上向かない場合に撤退を検討するのが良いでしょう。

Q3. すべての施策でROIを計測すべきですか?

A3. 理想はそうですが、現実的には難しい場合もあります。特に、先述したブランディング施策や、効果測定が難しいオフライン施策などです。ROIでの計測が難しい施策については、「認知度向上率」「指名検索数」など、別のKPI(重要業績評価指標)を設定して評価することが現実的です。
猪坂 絵美(いさか えみ)
この記事を書いた人 猪坂 絵美(いさか えみ)

株式会社コネクティ マーケティングフェロー

大手事業会社におけるマーケティング実務を経てコネクティに参画。エージェンシーの立場から数十社のデジタルマーケティング支援に従事し、Webサイト改善やMA活用などを手掛ける。現在は自社マーケターとして、Web運営、SEO・AIO(AI検索)対策、広告運用までをフルスタックに担当。事業会社と支援会社、双方の実務経験に裏打ちされた「成果に直結するマーケティング戦略」に定評がある。

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