

2025.10.01
【初心者向け】ワイヤーフレームの作り方とは?サイトリニューアル前に知っておきたい基本
Webサイト制作の設計図「ワイヤーフレーム」とは何か、その目的や重要性を初心者にも分かりやすく解説。デザインカンプとの違い、具体的な作り方の手順、おすすめのツールもご紹介。サイトリニューアルを成功に導くための必須知識です。
目次
- 1. はじめに:ワイヤーフレームはWebサイト制作の成功を左右する「設計図」 >>
- 2. ワイヤーフレームとは?Webサイト制作の土台となる骨組み >>
- 3. なぜワイヤーフレームは重要?Webサイト制作における3つのメリット >>
- 4. これでもう迷わない!ワイヤーフレーム・デザインカンプ・モックアップの違い >>
- 5. 初心者でも簡単!ワイヤーフレームの作り方5ステップ >>
- ・STEP1:Webサイトの目的・ゴールを定義する >>
- ・STEP2:ページに必要な情報を洗い出す >>
- ・STEP3:情報を整理し、優先順位を決める >>
- ・STEP4:レイアウトの骨組みを作成する >>
- ・STEP5:ツールで清書し、関係者と共有する >>
- 6. ワイヤーフレーム作成で失敗しないための3つの注意点 >>
- 7. サイトリニューアルの成功はワイヤーフレームで決まる >>
- 8. 【目的別】ワイヤーフレーム作成におすすめのツール3選 >>
- 9. まとめ >>
- 10. よくある質問(Q&A) >>
Webサイト制作やリニューアルを進める上で「ワイヤーフレーム」という言葉を耳にしたことはありませんか?ワイヤーフレームとは、Webページのレイアウトやコンテンツの配置を決める「設計図」のことです。この設計図があることで、関係者間の認識のズレを防ぎ、プロジェクトをスムーズに進行させ、最終的なWebサイトの成果を大きく左右します。
本記事では、Web担当者なら必ず知っておきたいワイヤーフレームの基本から、具体的な作成手順、サイトリニューアルで役立つポイントまでを分かりやすく解説します。
ワイヤーフレーム(Wireframe)は、その名の通り「線(Wire)」で「骨組み(Frame)」を描いたもので、Webページのどこに、何を、どのように配置するかを示したシンプルな図です。
色やフォントといったデザイン要素は含まず、主に以下の情報を線や箱、テキストで表現します。
家を建てる際に、いきなり壁紙やインテリアを決めるのではなく、まず柱や部屋の配置を決める「設計図」を描くのと同じです。この設計図を元に、デザイナーやエンジニア、コンテンツ制作者が作業を進めるため、Webサイト制作の土台となる非常に重要な工程です。
「簡単なサイトなら、わざわざ作らなくても良いのでは?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、ワイヤーフレームを作成することで、プロジェクトに多くのメリットをもたらします。
メリット1:関係者間の認識を統一できる
Webサイト制作には、ディレクター、デザイナー、エンジニア、そしてクライアントであるWeb担当者など、多くの人が関わります。完成イメージが各自の頭の中にしかない状態では、「思っていたのと違う」という認識のズレが生じがちです。ワイヤーフレームという共通の設計図を見ることで、全員が早い段階で完成形を具体的にイメージでき、円滑なコミュニケーションが可能になります。
メリット2:手戻りを防ぎ、工数とコストを削減
デザインや開発が進んだ後で「やっぱりこのボタンはこっちに置いてほしい」「このコンテンツも追加したい」といった変更が発生すると、大幅な手戻りとなり、追加の工数やコストがかかってしまいます。ワイヤーフレームの段階でページの構造や仕様を確定させることで、後工程での修正を最小限に抑え、プロジェクトの遅延や予算超過のリスクを減らすことができます。
メリット3:情報設計に集中し、UI/UXを高める
ワイヤーフレームは、色や装飾といった視覚情報を排除しているため、「ユーザーにとって必要な情報は何か」「どうすれば情報が伝わりやすいか」といった情報設計(IA)やUI/UX(ユーザー体験)の本質的な議論に集中できます。ユーザーが目的の情報を探しやすく、使いやすいWebサイトを構築するための土台作りと言えるでしょう。
ワイヤーフレームと混同されやすい用語に「デザインカンプ」と「モックアップ」があります。それぞれの役割と制作フェーズは明確に異なります。
名称 | 目的 | 制作フェーズ | 見た目 |
---|---|---|---|
ワイヤーフレーム | 情報の配置や骨組みを決定 | 企画・設計 | 白黒の線と箱で構成された シンプルな設計図 |
デザインカンプ | デザインのトンマナやビジュアルを決定 | デザイン | 完成イメージに近い静的な画像 (JPG, PNGなど) |
モックアップ | 動きや操作感を確認 | 実装前 | ボタンクリックなどの簡単な動きを 再現したサンプル |
ワイヤーフレームで骨組みを固め、デザインカンプで見た目を整え、モックアップで動きを確認する、という流れで制作が進んでいきます。
ここでは、初めての方でもワイヤーフレームを作成できる基本的な手順を5つのステップでご紹介します。
STEP1:Webサイトの目的・ゴールを定義する
まず、「誰に」「何を伝え」「どうなってほしいのか」を明確にします。
この目的とゴールが、掲載すべきコンテンツやレイアウトの判断基準となります。
STEP2:ページに必要な情報を洗い出す
ゴール達成のために、そのページにどのような情報(コンテンツ)が必要かを箇条書きですべて洗い出します。
例(製品紹介ページ)
STEP3:情報を整理し、優先順位を決める
洗い出した情報をグルーピングし、ユーザーにとって重要だと思われる順番に並べ替えます。この情報の優先順位が、そのままWebページ上での配置順の基本となります。
STEP4:レイアウトの骨組みを作成する
STEP3で決めた優先順位に基づき、手書きのラフスケッチやツールを使って、どこに何を配置するかを大まかに描いていきます。この段階では、簡単な箱と線で「ここにヘッダー」「ここにメインビジュアル」「ここにボタン」と分かる程度で十分です。
STEP5:ツールで清書し、関係者と共有する
ラフスケッチを元に、FigmaやPowerPointなどのツールを使って清書します。完成したら関係者と共有し、フィードバックをもらいましょう。修正点を反映させ、全員の合意が取れたらワイヤーフレームの完成です。
注意点1:最初からデザインに凝りすぎない
ワイヤーフレームの目的は、あくまで骨組みを決めることです。色を付けたり、フォントにこだわったりすると、本来議論すべき情報設計から意識が逸れてしまいます。白黒でシンプルに作成しましょう。
注意点2:ユーザー目線を忘れない
作り手の都合ではなく、「このサイトを訪れるユーザーが、迷わず目的を達成できるか?」という視点を常に持ちましょう。専門用語を避け、分かりやすいラベル(ボタンの文言など)を心がけることが重要です。
注意点3:「完璧」を目指しすぎない
ワイヤーフレームは、議論のたたき台です。最初から完璧なものを作ろうとせず、まずはラフな状態でも関係者に見せて意見をもらい、改善を繰り返していくことが成功への近道です。
Webサイトリニューアルにおいては、ワイヤーフレームの役割がさらに重要になります。
ツール名 | 特徴 | こんな人におすすめ |
---|---|---|
Excel / PowerPoint / Googleスライド |
多くの人が使い慣れている。図形描画機能で簡単に作成可能。 | まずは手軽に始めてみたい初心者の方 |
Figma / Adobe XD | 無料プランあり。共同編集機能が強力で、チームでの作業に最適。 | デザイナーやディレクターなど本格的に使いたい方 |
Cacoo | 日本語対応が充実。ワイヤーフレーム用のテンプレートが豊富。 | テンプレートを活用して効率的に作成したい方 |
今回は、Webサイト制作の設計図である「ワイヤーフレーム」について解説しました。
ワイヤーフレームは、Webサイトの骨組みを可視化し、関係者間の認識を揃え、手戻りを防ぐための重要なプロセスです。特にサイトリニューアルにおいては、現状の課題を解決し、成果を最大化するための土台となります。
本記事でご紹介した作成手順やツールを参考に、ぜひワイヤーフレーム作成に挑戦し、Webサイト制作プロジェクトを成功に導いてください。
Q1. ワイヤーフレームは誰が作成するものですか?
Webディレクターやプランナーが作成することが多いですが、プロジェクトの規模によってはWeb担当者様が作成する場合もあります。重要なのは、誰が作るかよりも、関係者全員で内容を確認し、合意形成を行うことです。
Q2. スマートフォンサイトのワイヤーフレームも必要ですか?
はい、必要です。PCとスマートフォンでは画面サイズが大きく異なるため、それぞれに最適化されたレイアウトを検討する必要があります。レスポンシブデザインを採用する場合でも、各デバイスでどのように表示されるかを示すために、PC用とスマートフォン用の両方のワイヤーフレームを作成することが一般的です。
Q3. ワイヤーフレームにテキスト(原稿)はどこまで入れるべきですか?
正確な文章である必要はありませんが、「どのような内容のテキストが、どのくらいのボリュームで入るか」が分かるようにダミーテキストや仮のテキストを入れておくのが理想です。これにより、デザイナーはテキスト量に応じたデザインを検討でき、後の手戻りを防げます。見出しやボタンの文言(ラベル)は、具体的なアクションに繋がるため、仮でも良いので入れておきましょう。