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Webサイトリニューアル成功の鍵「CMS選定」- 目的別比較と大企業向け選び方 Webサイトリニューアル成功の鍵「CMS選定」- 目的別比較と大企業向け選び方

2025.11.10

Webサイトリニューアル成功の鍵「CMS選定」- 目的別比較と大企業向け選び方

Webサイトリニューアルの成否を分けるCMS選定。WordPressなどのブログ系CMSとエンタープライズCMSの違い、大企業が重視すべきセキュリティやガバナンス機能、失敗しないための選定基準を専門家が徹底解説。

#CMS#サイトリニューアル#DX#セキュリティ#Webガバナンス

Webサイトリニューアルにおいて、デザインやコンテンツと並んで極めて重要なのがCMS(コンテンツ管理システム)の選定です。CMSとは、Webサイトのコンテンツ(テキスト、画像、PDFなど)を効率的に管理するシステムです。

リニューアル時にCMSを導入または変更する最大の目的は、「HTMLの知識がなくても簡単にコンテンツを更新したい」「属人化をなくし運用コストを下げたい」といった、日々の運用課題を解決することにあります。

しかし、CMSはWebサイトの「心臓部」とも言える基盤システムであり、どのCMSを選ぶかによって、リニューアル後の運用効率、セキュリティ、そして将来の事業展開の可能性までが大きく左右されます。「安いから」「流行っているから」といった安易な理由で選ぶと、数年後に必ず失敗します。

この記事では、Webサイトリニューアルを成功に導くためのCMS選定の全知識を、特に大企業が陥りがちな「ブログ系CMS」との比較の観点から徹底解説します。

CMSを選定する際、多くの担当者が直面するのが「WordPressのような安価なCMS」と「大企業向けの本格的なCMS」のどちらを選ぶか、という問題です。これは「オープンソースか商用か」という単純な括りではなく、「ブログ系CMS」と「エンタープライズCMS」という、システムの設計思想そのものの違いとして捉える必要があります。

エンタープライズCMSの定義と戦略的位置づけ

エンタープライズCMSとは、その名の通り「大企業(エンタープライズ)での利用を前提に設計された、高機能・高セキュリティなCMS」を指します。

WordPressやMovable Typeなどが元々ブログシステムから発展した「ブログ系CMS」であるのに対し、エンタープライズCMSは、Webサイトの複雑なコンテンツ管理のために最初から設計された「フルスペックのCMS」と位置付けられます。

大企業にとってのCMS選定は、単なる技術(Technology)の選定ではありません。それは、複雑な組織(Organization)課題(例:複数部門による運用、ブランド統制=ガバナンス)を解決するための戦略的な決定です。

【徹底比較】ブログ系CMSとエンタープライズCMSの違い

大企業の要件において、両者には決定的な違いがあります。

比較項目 ブログ系CMS(例:WordPress) エンタープライズCMS(例:Connecty CMS on Demand)
想定規模 小~中規模 大規模(エンタープライズ)
セキュリティ 主にプラグインで対応(脆弱性のリスク) 堅牢(標準機能、ベンダーサポート)
ワークフロー・権限管理 限定的(標準では簡易的) 柔軟かつ強力(承認プロセス、詳細な権限設定)
グローバル・多言語対応 プラグイン等で対応可能だが、管理が複雑 標準機能で対応(各国サイト展開、翻訳連携)
外部システム連携 個別開発が必要な場合が多い 連携を前提とした設計(CRM、MA連携)
サポート体制 コミュニティベース(自己責任) ベンダーによる手厚いサポート
コスト 低コスト(ライセンス無料の場合あり) 高コスト(ライセンス費、保守費)

クラウド(SaaS)型 vs パッケージ(オンプレミス)型

もう一つの分類軸として、提供形態があります。

種類 特徴 メリット デメリット
クラウド(SaaS)型 ベンダーが提供するサーバー上でCMSを利用する形態。
月額費用で利用するサービス型。
・サーバーの構築や管理が不要
・常に最新のバージョン、セキュリティ状態で利用できる
・初期費用を抑えられる
・カスタマイズの自由度が低い場合がある
・ランニングコストが発生する
パッケージ(オンプレミス)型 自社のサーバーにソフトウェアをインストールして利用する形態。 ・自社のセキュリティポリシーに合わせた柔軟な構築が可能
・カスタマイズの自由度が高い
・サーバーの構築・運用・保守コストが別途必要
・バージョンアップやセキュリティ対策を自社で行う必要がある
・高額な初期費用がかかる

近年は、サーバー管理の手間やセキュリティ維持のコストを考慮し、大企業でもクラウド(SaaS)型のエンタープライズCMSを選択するケースが主流となっています。

大企業が「ブログ系CMS」ではなく「エンタープライズCMS」を選ぶ理由は、以下の大企業特有の要件に応える機能が備わっているためです。

基準1:堅牢なセキュリティ

企業の信頼を揺るがす情報漏洩を防ぐため、セキュリティは最重要項目です。プラグインの脆弱性を狙われがちなブログ系CMSと比較し、エンタープライズCMSは堅牢なセキュリティ対策が標準で講じられています。

チェックポイント:
・WAF(Web Application Firewall)の標準提供、第三者機関による脆弱性診断、迅速な脆弱性対応とベンダーサポート体制。

基準2:柔軟なワークフローと権限設定(Webガバナンスの担保)

エンタープライズCMSの最も重要な特徴です。多数の部署や担当者がサイト運用に関わる大企業では、サイト全体の品質とブランドイメージを統制する「Webガバナンス」が不可欠です。

チェックポイント:
・コンテンツ公開に際して、多段階の承認ワークフロー(例:担当者→上長→法務部→公開)を柔軟に設定できるか。
・部署や役職に応じて、編集・閲覧・公開などの権限を細かく管理できるか。

これらの機能は、リニューアルの目的である「ガバナンス(中央集約型または分散型)」を技術的に強制・担保するために不可欠です。

基準3:高い拡張性と外部システム連携(CRM/MA)

将来の事業成長やマーケティング施策の変化に対応できる拡張性が重要です。

チェックポイント:
・CRM(顧客管理システム)やMA(マーケティングオートメーション)など、他のシステムとのAPI連携が容易で、情報の一元管理と活用が可能か。

基準4:グローバルサイト構築(多言語・翻訳ワークフロー)

グループ会社サイトやグローバルサイトなど、多数のWebサイトを効率的かつ統一感を持って管理できる機能です。

チェックポイント:
・一つのCMSで複数のサイトを管理できる「マルチサイト機能」。
・多言語サイトのコンテンツ管理を効率的に行えるか。特に、翻訳業者との連携(翻訳対象コンテンツの書き出し・取り込み)をワークフローに組み込めるか。

基準5:高度なコンテンツ管理機能

ブログ系CMSでは対応が難しい、企業ならではの厳格なコンテンツ管理機能です。

チェックポイント:
時間指定公開(未来の日時での公開・非公開予約)が可能か。
・画像やPDFファイルに対しても、厳格な公開管理(例:会員限定公開、期限付き公開)が可能か。

自社に最適なCMSを論理的に選定するための、具体的な4つのステップをご紹介します。

ステップ1:導入目的と用途の整理

まず、「なぜCMSを導入するのか」(例:運用コスト削減、ガバナンス強化)、「CMSを使って誰が何をしたいのか」を明確にします。

ステップ2:構築・運用要件の整理

目的に基づき、必要な機能や性能を「要件」として具体的にリストアップします。前述した「大企業が重視すべき5つの基準」を参考に、自社のサイト規模や必要な機能(拡張性、セキュリティ)を洗い出しましょう。

ステップ3:予算の整理(ライセンス、導入、保守)

初期費用(ライセンス費、導入構築費)と、ランニングコスト(保守費用、月額利用料)の両方を考慮し、予算を整理します。

ステップ4:複数CMSの比較検討(操作性の確認)

整理した要件と予算を基に、複数のCMSを比較検討します。資料請求だけでなく、デモやトライアルを実際に操作して、コンテンツ更新担当者にとって本当に使いやすいか(ユーザビリティ、操作性)を確認することが非常に重要です。

WebサイトリニューアルにおけるCMS選定は、単なるツール選びではありません。それは、リニューアル後のWebサイト運用、ひいては企業のデジタル戦略そのものの成否を左右する、極めて重要な意思決定です。

特に大企業においては、目先のコストや機能だけでなく、セキュリティ、ガバナンス、拡張性といった長期的・戦略的な視点から、自社の事業成長を支えるにふさわしい「基盤」としてのCMSを選定することが不可欠です。

本記事で解説した「ブログ系CMS」と「エンタープライズCMS」の明確な違いを理解し、貴社の未来を託せる最適なパートナーとしてのCMSを見つけ出してください。



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Q1. WordPress(ブログ系CMS)では、大企業のサイト運用は難しいのでしょうか?

A1. 不可能ではありませんが、多くの課題が伴います。WordPressは本来、ブログシステムとして開発されたものであり、セキュリティの多くをプラグインに依存しています。そのため、プラグインの脆弱性を突いた攻撃のリスクが常につきまといます。また、大企業が必要とする複雑な承認ワークフローや詳細な権限管理は標準機能では限定的であり、カスタマイズで対応するとシステムが複雑化・属人化し、かえって運用コストが高くなるケースが非常に多いです。企業の信頼性やガバナンスを最優先するならば、サポート体制の整った商用のエンタープライズCMSを選択するのが賢明です。

Q2. クラウド(SaaS)型とパッケージ(オンプレミス)型、どちらを選ぶべきですか?

A2. 近年の主流は、サーバー管理が不要で常に最新のセキュリティが保たれるクラウド(SaaS)型です。特に、情報システム部門のリソースが限られている場合や、迅速な導入を求める場合にはクラウド型が適しています。一方で、金融機関など、非常に厳しいセキュリティポリシーで自社サーバー内での運用が必須とされる場合は、パッケージ型が選択肢となります。多くの企業にとっては、TCO(総所有コスト)の観点からもクラウド型が有利になるケースが多いです。

Q3. CMSの導入にはどれくらいの費用がかかりますか?

A3. 費用はCMSの種類やサイトの規模、カスタマイズの範囲によって大きく異なります。オープンソースのWordPress自体は無料ですが、サーバー費用や構築・カスタマイズ費用が別途発生します。商用のエンタープライズCMSは、その堅牢な機能やサポート体制に見合ったライセンス費用や月額利用料(クラウド型の場合)がかかります。自社の要件(特にセキュリティやガバナンス)を整理し、複数のベンダーから見積もりを取得して比較検討することが重要です。

Q4. 既存のWebサイトから新しいCMSへのコンテンツ移行は大変ですか?

A4. はい、コンテンツ移行はリニューアルプロジェクトの中でも特に労力がかかる作業の一つです。CMSによっては、既存のコンテンツを一括で移行できない場合もあり、手作業での移行が必要になることもあります 。リニューアルを依頼する制作会社を選定する段階で、コンテンツ移行の具体的な方法や範囲、費用について必ず確認しておくことがトラブルを避けるポイントです。

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