「5G」でどう変わる?私たちのくらし 「5G」でどう変わる?私たちのくらし
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2020.02.13

「5G」でどう変わる?私たちのくらし

八村塁選手が稲妻の中スローモーションでダンクシュートを決める。そんなCMを見たことがありますか?シュートの瞬間に「世界はかわる 準備はいいか」。その直後、画面いっぱいに「5G」。なにやら新しい世界の到来を告げるソフトバンクのCMです。また、2019年に大きな盛り上がりをみせたラグビーワールドカップでは、試合中継の合間にNTTドコモの「RUGBY WORLD CUP 2019×5G」というCMが頻繁に流れました。どちらのCMもキーワードは「5G」です。 それでは「5G」とは一体何なのでしょうか?それによって私たちの世界はどう変わっていくのでしょうか?

#ビッグデータ#コラム#5G#スマートシティ

八村塁選手が稲妻の中スローモーションでダンクシュートを決める。そんなCMを見たことがありますか?シュートの瞬間に「世界はかわる 準備はいいか」。その直後、画面いっぱいに「5G」。なにやら新しい世界の到来を告げるソフトバンクのCMです。また、2019年に大きな盛り上がりをみせたラグビーワールドカップでは、試合中継の合間にNTTドコモの「RUGBY WORLD CUP 2019×5G」というCMが頻繁に流れました。どちらのCMもキーワードは「5G」です。
それでは「5G」とは一体何なのでしょうか?それによって私たちの世界はどう変わっていくのでしょうか?

5Gとは、2020年から正式にサービスが始まる、新しいモバイル通信規格です。5Gとは5th Generationのこと。つまり第5世代の無線通信システムのことです。携帯電話のシステムは既に4回も世代交代を繰り返してきており、来年から新たな5世代目のシステムが導入されるのです。

5Gを理解するためにも、過去の通信規格を少しおさらいしてみましょう。通信規格は今まで約10年ごとに世代交代をしてきました。

通信システムの第1世代は80年代から90年代にかけて、アナログ無線技術が用いられていた時代であり、音声電話が中心のものでした。車載の自動車電話や、3kgもある肩掛けタイプのショルダーフォンなどがありました。その後発生した小型化競争により、一気に携帯しやすい大きさにまで軽量化されていきます。

90年代になると、第2世代(2G)と呼ばれるデジタル無線技術を用いた通信システムのサービスが開始されます。データ通信により携帯からのメール送信が可能になりました。NTTドコモはショートメール、auはCメール、J-PHONE(現ソフトバンク)はスカイメールという名称で親しまれました。また、携帯電話からインターネットへ接続するためのサービスとして、NTTドコモがiモード、auはEZweb、J-PHONE(現ソフトバンク)はJ-Skyを開始しました。

2000年代にはいよいよ3Gのサービスが始まります。データ通信需要の高まりから、データ通信の高速大容量化が進められました。また、3Gは初めての国際標準規格であり、同じ端末を世界中に持ち歩くことができる時代が始まりました。

2010年になると、スマートフォンの普及によりデータ通信の需要が益々高まりをみせました。データ通信専用のネットワーク構成として更なる高速大容量化を図った通信規格が4Gです。音声通話がメインだった過去の時代から、データ通信がメインに取って代わるかたちとなりました。

そしていよいよ2020年に第5世代の通信規格が登場します。4Gまでは、その時々のサービスによる通信需要にインフラが応えるかたちで進化していった通信技術ですが、国によっては4Gの導入が遅れていたり、また、4Gでも十分にサービスに応えることができていたりするため、5Gが発表された当初はあまり高い関心を示す携帯電話会社は多くありませんでした。しかしその後、IoTという「モノのインターネット」が重要視されると、それを支えるためのネットワークとして5Gが一気に注目を浴びることとなり、5Gの標準化作業が急ピッチで進められることになったのです。

IoTを支えるインフラとして期待を集めている5Gですが、果たして今までの通信規格と何が違うのでしょうか?

高速大容量とは読んで字のごとく、大量のデータを高速で通信できるという意味です。
5Gの通信では、最大で毎秒20ギガピットの超高速データ通信が可能とされており、現在の4G通信の約20倍の速さが期待されています。

遠隔操作などで起こるタイムラグを抑え、通信のリアルタイム性を高めるという意味です。
無線区間の遅延は0.001秒以下で、4Gと比較すると10分の1になるとされています。

同じエリアの中で一度に多くの端末が通信できることを多接続と言います。5Gでは1平方キロメートル当たり100万台の端末のアクセスが可能になるとされ、これは4Gの100倍になります。

5Gの3つの特徴を踏まえ具体的にどんなことができるようになるのかみてみましょう。

多くの業界が注目している5Gですが、その中でも大きな影響があるとみられているのが、労働人口減少による人材不足や熟練工の引退による技能継承の問題などを抱えている、建設や工場などの生産現場です。5Gの低遅延という特徴は、遠隔地にある機械のリアルタイム制御を可能とするため、少人数での作業が可能になります。また、高速大容量および多接続の特徴により、高精細なカメラ映像を活用したり、工場内に複数のセンサーを実装し情報収集したりすることで、熟練工の技術を分析しデータ化することができます。

搭載するカメラや各種センサーで車が周囲の状況を把握する必要がある自動運転の技術には5Gが必要不可欠です。また、物流業界ではドライバー不足の問題解決のために、先頭車両を有人で運転操作し、2台目、3台目のトラックは無人で後続する、トラックの隊列走行の実現に期待を寄せられています。これにも5Gは不可欠です。
また、自動車が外部と通信するコネクテッドカーの普及も本格化するでしょう。自動車が走っている位置情報や周囲の情報など、さまざまな車載データが収集されビッグデータとなります。
それらの情報は見通しの悪い交差点や目の前を走る大型トラックの先、カーブの先の状況など通常では見えないものを映し出すことを可能にします。また、エンターテインメントサービスの充実という観点からでは、映画を高速でダウンロードしたり、遠隔地にいる知人や家族をAR(拡張現実)による3Dアバターとして車内に登場させたりと、さまざまな活用方法が考えられます。

5Gの特徴はエンターテインメントやゲーム業界との親和性も非常に高いです。4Kや8Kのような超高精細映像、大容量のグラフィックスのゲームといったコンテンツも高速でダウンロードできるようになります。今までできなかったような3D映像や360度映像といった臨場感のあるコンテンツも広がりをみせることになるでしょう。

日本では来年3月からサービスがスタートする5Gですが、実は期待されている本来の5Gの恩恵を受けるにはまだまだ課題が山積みで、導入段階では3つの特徴のすべてを実現するにはとても難しい状態です。
5Gで利用する電波の周波数帯は「サブ6」と呼ばれる3.7GHz帯、4.5GHz帯、そして「ミリ波」と呼ばれる28GHz帯です。4Gで利用している電波でもっとも高い周波数帯は3.5GHz帯なので、5Gは非常に高い周波数帯を利用するということがわかります。電波には周波数が高いほど減衰しやすく遠くまで飛ばすことが難しくなるという特性があります。そもそも障害物に強く遠くに飛びやすい電波はさまざまな用途で既に利用され、帯域幅はぱんぱんの状態になっています。電波制御技術の成熟により、これまで扱いの難しさからあまり使われてこなかった高い周波数帯の利用を可能にしたものが5Gの規格というわけです。
しかし、来年の5G導入段階で一般消費者向けとして利用されるサービスは「サブ6」の部分のみとなり、サブ6で実現できるのは高速大容量のみの機能となります。サブ6の5Gは現在の4Gと周波数帯域が近いため、4Gの基地局に併設するかたちで5Gの基地局が設置可能なので、ネットワーク構築が容易なためです。
低遅延と同時多接続を実現できる、「ミリ波」を中心としたネットワークの構築のためには、約100メートルおきに基地局を設置する必要があり、設置のための時間やコストが大きく嵩んできます。そもそも5Gによる同時多接続はまだ標準化自体が完了していないのです。
低遅延や同時多接続を実現してこその5Gとみる向きもあり、本来の5Gの世界が訪れるにはまだまだ時間がかかりそうです。

日本では2020年のオリンピック・イヤーをターゲットにして5Gサービスが来春にもスタートする予定ですが、今年に入って携帯キャリア各社による、エンターテインメントの分野を中心としたプレサービスが活発化しています。NTTドコモはラグビーワールドカップ、ソフトバンクはバスケットボールの日本代表戦と、それぞれの会場でプレサービスを行いました。KDDIはラグビー、楽天モバイルはテニスの映像を、5Gを利用して遠隔へ配信しました。また、ソフトバンクモバイルは、国内最大級の音楽フェスFUJI ROCK FESTIVAL '19での5G映像配信も行っています。
バスケットボールの試合中に5Gのサービスを体験した観客たちは、複数カメラの映像が配信されるタブレットで自由に視点を変えながらの観戦をしたり、シュートシーンを見返したり、VR(仮想現実)ゴーグルを装着し、ゴール裏やコートの真横からなど、観客席から見るのとは異なる臨場感のある映像を楽しんだようです。

新しい通信規格5Gのサービスがスタートしますが、導入直後は5Gの特徴の1つである高速大容量の機能からスタートとなります。本来の5Gの姿として期待される、低遅延や同時多接続を活かしたサービスは、一般消費者向けの前に、工場やスタジアムなど限られたエリア内でのネットワーク構築が可能な、産業分野でまず導入が進んでいくとみられています。
ローカル5Gと呼ばれる限られたエリア内での5Gサービスを実感した一般消費者の評価が5Gの未来を決めていくのです。そのためには5Gでしか実現できないようなキラーコンテンツの存在が必要になってきます。本来の5Gが一般消費者の身近になる未来は各企業の魅力的なサービスの創出にかかっているのです。

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