2025.10.24
クラウドCMSとオンプレミスCMSの違いとは?メリット・デメリットを徹底比較
クラウド型(SaaS)CMSとオンプレミス型CMSの違いを、コスト・セキュリティ・運用の観点から徹底比較。自社にはどちらが最適か分かる比較表や選び方のポイントを解説します。「CMS 違い」が気になるWeb担当者必見です。
結論:両者の違いは「IT資産を自社で持つか、サービスとして利用するか」
CMSの選定で必ず突き当たる「クラウド」と「オンプレミス」の選択。この2つの最大の違いは、CMSを動かすためのサーバーやソフトウェアといったIT資産を、自社で構築・所有する(オンプレミス)か、ベンダーが提供するサービスとして月額料金などで利用する(クラウド)かという点にあります。
- ✅クラウドCMS:
- 初期費用を抑え、サーバー管理の手間なく、すぐに利用を開始したい企業向け。
- ✅オンプレミスCMS:
- 自社の厳格なセキュリティポリシーのもと、自由にカスタマイズして運用したい企業向け。
どちらが良い・悪いということではなく、企業の事業戦略やITリソース、セキュリティポリシーによって最適な選択は異なります。
5秒で分かる!クラウドとオンプレミスの違い比較早見表
| 比較項目 | クラウド型(SaaS)CMS | オンプレミス型CMS |
|---|---|---|
| 初期費用 | 低い | 高い |
| 運用負荷 | 軽い(ベンダー任せ) | 重い(自社で管理) |
| 導入スピード | 速い | 遅い |
| カスタマイズ性 | 制限あり | 高い |
| セキュリティ | ベンダー依存(高水準) | 自社でコントロール可能 |
クラウドCMSの仕組みと特徴
クラウドCMSとは、CMSベンダーが管理するサーバー上にあるソフトウェアに、インターネット経由でアクセスして利用する形態のCMSです。「SaaS(Software as a Service)」とも呼ばれます。
ユーザーは自社でサーバーを用意したり、ソフトウェアをインストールしたりする必要が一切ありません。例えるなら、家具・家電付きの賃貸マンションに入居するようなものです。家賃(利用料)を払えば、すぐに快適な生活(サイト運用)を始められ、設備のメンテナンスも大家さん(ベンダー)に任せられます。
クラウドCMSの4つのメリット
- ✅導入コストの削減と迅速な導入:
- サーバー購入や構築が不要なため、初期投資を大幅に削減できます。契約後、すぐに利用を開始できるスピード感も魅力です。
- ✅保守・運用からの解放:
- サーバーの監視、OSやミドルウェアのアップデート、セキュリティパッチの適用、定期的なバックアップなどはすべてベンダーが行います。情報システム部門の負担を軽減し、本来注力すべきコンテンツ作成にリソースを集中できます。
- ✅場所を選ばないアクセシビリティ:
- インターネット環境さえあれば、オフィス、自宅、外出先など、場所や端末(PC、モバイル)を問わずにサイトの編集や更新が可能です。
- ✅柔軟なスケーラビリティ:
- ビジネスの成長やアクセス数の増減に合わせ、プラン変更などでリソースを柔軟に拡張・縮小できます。
クラウドCMSの3つのデメリット
- ✅ランニングコストが発生する:
- 毎月または毎年の利用料が発生します。
- ✅カスタマイズの自由度が低い場合がある:
- オンプレミス型に比べ、デザインや機能のカスタマイズに制約がある場合があります。
- ✅セキュリティや運用がベンダーに依存する:
- セキュリティ対策はベンダーに委ねられるため、提供元のセキュリティレベルやサービス運用に自社のサイトが依存する形になります。
こんな企業におすすめ!
- ✅情報システム部門のリソースが限られている企業
- ✅Webサイトの運用・保守にかかる手間とコストを削減したい企業
- ✅キャンペーンサイトなど、スピーディにWebサイトを立ち上げたい企業
- ✅高度な専門知識がなくても、安全なサイトを運用したい企業
オンプレミスCMSの仕組みと特徴
オンプレミスCMSとは、自社内のサーバーや、自社で契約したデータセンターなどにCMSソフトウェアをインストールして利用する形態です。
例えるなら、注文住宅を建てるようなものです。土地(サーバー)を用意し、自分たちの好きなように設計(構築・カスタマイズ)できます。すべての所有権は自社にありますが、その分、建設から維持管理(保守・運用)まですべて自分たちで行う責任が生じます。
オンプレミスCMSの3つのメリット
- ✅カスタマイズの自由度が非常に高い:
- 自社サーバー上で構築するため、デザインや機能を要件に合わせて自由に作り込めます。
- ✅既存の社内システムと連携させやすい:
- 基幹システムや顧客データベースなど、外部に公開されていない社内システムとも柔軟に連携させることが可能です。
- ✅自社のセキュリティポリシーに準拠させやすい:
- ネットワーク構成やアクセス制限などを自社の厳格なセキュリティ基準に合わせて構築・運用できます。
オンプレミスCMSの2つのデメリット
- ✅高額な初期費用と専門知識が必要:
- サーバーやライセンスの購入、システム構築に多額の初期投資が必要です。また、構築・運用には高度な専門知識を持つ人材が不可欠です。
- ✅保守・運用の負荷が高い:
- サーバーの死活監視、セキュリティアップデート、障害発生時の対応など、すべての保守・運用を自社で行う必要があります。
こんな企業におすすめ!
- ✅Webサイトの構築・運用を行う専門部署やIT人材が社内にいる企業
- ✅基幹システムなど、社内システムとの複雑な連携が必須な企業
- ✅外部にデータを置けないなど、非常に厳格なセキュリティポリシーを持つ企業
CMSの基本に立ち返りたい方はこちら
| No. | 比較項目 | クラウド型(SaaS)CMS | オンプレミス型 | どちらが有利か |
|---|---|---|---|---|
| 1 | コスト | 初期費用は低いが、月額費用が発生 | 初期費用は高いが、月額費用はなし (保守費は別途) |
△ (目的による) |
| 2 | 導入スピード | 最短数日〜 | 数ヶ月〜 | クラウド |
| 3 | セキュリティ | ベンダーが責任を持つ (高水準) |
自社が責任を持つ (自由度が高い) |
△ (体制による) |
| 4 | 保守・運用 | ベンダーに任せられる | 自社で行う | クラウド |
| 5 | カスタマイズ | 制限あり | 自由度が高い | オンプレミス |
| 6 | 拡張性 | プラン変更で容易に対応 | サーバー増強などが必要 | クラウド |
| 7 | 資産計上 | 費用(経費) | 資産 | △ (会計方針による) |
CMSの費用についてもっと詳しく知りたい方はこちら
クラウドCMSとオンプレミスCMS、どちらか一方が絶対的に優れているわけではありません。自社の人的リソース、予算、セキュリティ要件、そしてWebサイトで何を実現したいのかという事業戦略を総合的に判断し、最適な形態を選ぶことが成功の鍵です。
近年は、セキュリティレベルの向上と運用効率の高さから、多くの企業でクラウドCMSへの移行が進んでいます。まずはクラウドCMSを基本線として検討し、どうしても譲れない要件がある場合にオンプレミスを検討するという進め方が、現代の主流と言えるでしょう。
自社に最適なCMSを見つけたい方へ!
-
Q1. 最近はクラウドCMSが主流なのですか?
- A1. はい、その傾向が強まっています。サーバー管理の負担がなく、常に最新のセキュリティが保たれるクラウドCMSは、多くの企業にとってコストパフォーマンスと運用効率の面でメリットが大きいため、市場の主流となりつつあります。
-
Q2. 金融機関でもクラウドCMSは利用できますか?
- A2. はい、利用可能です。近年では、金融情報システムセンター(FISC)の安全対策基準に準拠した、セキュリティレベルの非常に高いクラウドサービスが登場しています。実際に多くの金融機関でクラウドCMSの導入実績があります。
-
Q3. 今使っているオンプレミスCMSからクラウドCMSに移行できますか?
- A3. はい、可能です。既存サイトのコンテンツや構造を分析し、最適なクラウドCMSへデータを移行(リプレース)します。専門のベンダーに依頼することで、スムーズな移行を実現できます。
CMSのリプレース(移行)について詳しくはこちら
サーバー管理から解放され、コンテンツ戦略に集中しませんか?
SaaS型CMS市場シェアNo.1「CMSoD」なら、
エンタープライズレベルのセキュリティと安定した運用環境を標準提供。
情報システム部門の負担を劇的に削減します。