


2025.07.31
CMSとは? 失敗しないCMSの選び方|大手・グローバル企業が押さえるべき7つの比較ポイント
Webサイトリニューアルを検討中の大手・グローバル企業様へ。CMS(コンテンツ・マネジメントシステム)を導入するメリット、CMSの選定で失敗しないための7つの重要な比較ポイントを、専門家が徹底解説します。セキュリティ、ガバナンス、グローバル対応など、複雑な要件をクリアするCMSの選び方とは?CMSを導入していないと何が不便なのか? 自社の課題を解決する最適なプラットフォーム選定にお役立てください。
目次
- 1. はじめに:
- ・CMSとは?(導入メリット) >>
- ・CMS選定がWebサイトリニューアルの成否を分ける理由 >>
- 2. CMSの基本をおさらい - 3つの種類と特徴 >>
- 3. 【本題】大手企業のCMS選びで失敗しないための7つの比較ポイント、注意点 >>
- ・ポイント1:セキュリティ - 企業ブランドを守るための堅牢性 >>
- ・ポイント2:Webガバナンス - 複数サイト・部門を統制する管理機能 >>
- ・ポイント3:グローバル対応 - 真の「ローカライズ」を実現する多言語基盤 >>
- ・ポイント4:システム連携 - MA・CRM・PIMなど外部システムとの柔軟性 >>
- ・ポイント5:拡張性とパフォーマンス - 将来の事業拡大を見据えた設計 >>
- ・ポイント6:サポート体制 - 導入から運用までの伴走支援 >>
- ・ポイント7:費用対効果 - TCO(総所有コスト)で判断する >>
- 4. 7つのポイントを満たすCMSの選択肢とは >>
- 5. まとめ:自社の課題を解決する最適なCMSを選ぼう >>
CMSとは?(導入メリット)
CMSとは、Contents Management System(コンテンツ管理システム、コンテンツ・マネジメント・システム)の略称で、1990年台頃に世の中に広まったWebサイトの管理システムです。Webサイトのコンテンツ(テキスト、画像、デザインなど)を効率的に作成、管理、公開するためのシステムであり、専門的なWeb知識がなくても、BlogのようにWebサイトの更新や新しいページ作成を可能にします。世界中で多くの企業や個人が現在も利用しているWebサービスの1つがCMSです。
類似したWEB用語で「CRM」があります。CRMとは、Customer Relationship Management(顧客関係管理)の略称で、顧客対応履歴などの情報を一元管理して、顧客との長期的な関係を構築する仕組み・サービスを指します。一方で、CMSはWebサイトのコンテンツを管理、更新する目的のために導入されるシステムです。
CMSの機能に類似した仕組みとして、日本では「ホームページビルダー」が挙げられます。ホームページビルダーとは、Webの専門的な知識がなくても、簡単に作成できる有料ソフトウェアです。
ホームページビルダーは自分のパソコンにソフトウェアをインストールして、「オフライン」でWebサイトを作成するツールです。一方で、CMSのインストール先はWebサーバーです。自分のパソコンにソフトウェアをインストールしなくても、「オンライン」でCMS管理者画面にアクセスをして、Webサイトを管理・更新するシステムです。
Webサイトは、企業の顔であり、ビジネス成長を支える重要なプラットフォームです。特に、事業部やブランド、海外拠点を多く持つ大手企業にとって、その管理・運用は複雑化の一途をたどっています。Webサイトリニューアルを成功に導き、ビジネスを加速させるためには、その土台となるCMSの選定が極めて重要になります。
CMSを導入していないWebサイトの場合、HTML、CSS、JavaScriptなどを用いたページを1つずつ作成する必要があります。ページ管理が煩雑になり、更新作業が非効率的な作業になります。そして、複数人でWebサイトを運営している場合、修正作業のバッティングなど、予期せぬ更新トラブルも起こりえます。
CMS選定がWebサイトリニューアルの成否を分ける理由
「CMSなんてどれも同じだろう」と考えていませんか?実は、CMSの選定を誤ると、「セキュリティリスクの増大」「ブランドイメージの毀損」「運用コストの高騰」といった深刻な問題を引き起こしかねません。本記事では、Webサイトリニューアルを検討されている大手企業、グローバル企業のWebご担当者様や情報システム部門の社員様に向けて、CMS選定で失敗しないための重要な比較ポイントを徹底的に解説します。
まず、自社に最適なCMSを選ぶために、基本的な種類と特徴を理解しておきましょう。
オープンソースCMS(WordPressなど)
世界で最も利用されているWordPressに代表される、ソースコードが無償で公開されているCMSです。低コストで導入でき、豊富なプラグインで拡張性が高いのが魅力ですが、セキュリティの脆弱性を突かれやすく、専門的な技術サポートがないため、企業での利用には高度な知識とリスク管理が求められます。
クラウドCMS(SaaS型)
ベンダーがクラウド上で提供するCMSを、月額・年額で利用する形態です。サーバーの構築やメンテナンスが不要で、常に最新かつセキュアな環境で利用できるのが最大のメリットです。初期費用を抑えられ、スピーディな導入が可能です。
パッケージCMS(オンプレミス型)
自社サーバーにソフトウェアをインストールして利用する形態です。カスタマイズの自由度が非常に高い反面、導入費用やサーバー管理コストが高額になる傾向があります。
大手企業が「エンタープライズCMS」を選ぶべき背景
上記の中でも、数千〜数万ページに及ぶサイト規模、多数の部門・担当者による運用、厳格なセキュリティ要件といった大手企業特有の課題を解決するために設計されているのが「エンタープライズCMS」です。本記事では、このエンタープライズCMSの選定を前提として、さらに具体的な比較ポイントを掘り下げていきます。
比較項目 | オープンソースCMS | クラウドCMS(SaaS型) | パッケージCMS(オンプレミス型) |
---|---|---|---|
初期費用 | 低(ライセンス費用は無料) | 低〜中(初期設定費用など) | 高(ライセンス費用が高額) |
運用コスト | 中〜高(サーバー、保守、改修費) | 中(月額・年額の利用料) | 高(サーバー、保守、人件費) |
サーバー管理 | 自社で必要 | 不要(ベンダーが管理) | 自社で必要 |
セキュリティ | 自社で高度な対策が必須 | ベンダーが担保(高水準) | 自社で高度な対策が必須 |
カスタマイズ性 | 高 | 制限あり(提供範囲内) | 非常に高い |
サポート体制 | 基本的になし(自己責任) | 手厚い(専門サポート) | 手厚い(専門サポート) |
向いている用途 | 個人ブログ、小規模サイト | 中〜大規模サイト、複数サイト管理 | 独自要件が多い大規模サイト |
ここからは、CMSの提案依頼(RFP)作成や、ベンダーとの比較検討時に必ず確認すべき7つのポイントをご紹介します。
ポイント1:セキュリティ - 企業ブランドを守るための堅牢性
大手企業にとって、セキュリティインシデントは信用の失墜に直結します。WAF(Web Application Firewall)の実装は当然として、国内外のセキュリティ基準(ISO27001, ISO27017など)への準拠、定期的な脆弱性診断、不正アクセス検知・防御の仕組みなどを必ず確認しましょう。
関連記事:CMSのセキュリティ対策は?脆弱性の攻撃リスクと対策を解説!
ポイント2:Webガバナンス - 複数サイト・部門を統制する管理機能
グループ会社や事業部ごとにサイトが乱立し、デザインや情報品質がバラバラになっていませんか?エンタープライズCMSには、複数サイトを単一のプラットフォームで管理する「マルチサイト機能」や、役職や担当に応じてコンテンツの編集・承認権限を細かく設定できる「ワークフロー機能」が不可欠です。これにより、企業全体としての一貫した情報発信とブランド統制を実現します。
関連記事:Webガバナンスとは?基礎から構築・運用まで徹底解説
ポイント3:グローバル対応 - 真の「ローカライズ」を実現する多言語基盤
グローバル展開を成功させるには、単に日本語コンテンツを各言語に翻訳する「多言語対応」だけでは不十分です。真に重要なのは、各国の文化、慣習、法規制、さらにはトレンドといった背景を深く理解し、現地のユーザーの心に響く情報を提供する「ローカライズ」です。
例えば、色やデザインの好まれる傾向、キャッチコピーの表現一つとっても、国によって受け取られ方は大きく異なります。効果的なグローバルサイトとは、こうした地域特性を反映したコンテンツを、国や地域ごとに柔軟に出し分けられるサイトのことです。
そのためCMS選定では、言語の追加が容易であることはもちろん、国・地域別のコンテンツ管理や、時差を考慮した予約配信機能が高度なレベルで実装されているかを確認することが、グローバルビジネスの成否を分ける鍵となります。
関連サービス:AIで多言語コンテンツを素早く生成!CMSoDに「ローカライズAI」搭載
ポイント4:システム連携 - MA・CRM・PIMなど外部システムとの柔軟性
Webサイトを単なる情報発信の場から、マーケティングや営業活動の中核拠点へと進化させるには、外部システムとの連携が鍵となります。MA(マーケティングオートメーション)やCRM(顧客関係管理)、PIM(商品情報管理)といった既存システムとAPI連携が容易にできるか、豊富な連携実績があるかは必ず確認すべきです。
関連動画:PIM×CMS|製造業のデジタルマーケティングの成功を握る!次世代Webアーキテクチャー
ポイント5:拡張性とパフォーマンス - 将来の事業拡大を見据えた設計
M&Aによるサイト統合や、新規事業の立ち上げなど、企業の成長に合わせてWebサイトも変化し続けます。将来的なアクセス増やコンテンツ量の増大にも耐えうる、スケーラブルなアーキテクチャであるかを確認しましょう。表示速度はユーザー体験(UX)とSEOの両方に影響するため、大規模サイトでも高速なレスポンスを維持できるパフォーマンスも重要です。
ポイント6:サポート体制 - 導入から運用までの伴走支援
ツールの提供だけでなく、自社のビジネス課題を深く理解し、戦略立案からサイト構築、公開後の運用改善までをトータルで支援してくれるパートナーの存在は心強いものです。特に、国内に開発拠点があり、日本語で迅速かつ的確なサポートを受けられる体制は、万が一のトラブル時にも安心です。
ポイント7:費用対効果 - TCO(総所有コスト)で判断する
初期のライセンス費用だけでなく、サーバー費用、保守・運用、バージョンアップ、セキュリティ対策など、5年以上のスパンで発生するTCO(総所有コスト)を算出して比較検討することが重要です。クラウド型CMSは、インフラ管理コストを削減できるため、TCOを抑えられる傾向にあります。
なぜ「国産・クラウド型」が有力な選択肢になるのか
ご紹介した7つの要件を高いレベルで満たすCMSとして、近年「国産のエンタープライズ向けクラウドCMS」が注目されています。海外製CMSは機能が豊富ですが、日本の大手企業特有の複雑な要求や商習慣に合わなかったり、サポート体制に不安が残るケースも少なくありません。
その点、国産CMSはきめ細やかな機能と手厚い日本語サポートが期待でき、クラウド型であることでインフラ管理の負担から解放され、担当者は本来注力すべきコンテンツ戦略に集中できるというメリットがあります。
導入に成功した企業の事例
実際にエンタープライズ向けCMSの導入に成功した企業は、単にツールを導入するだけでなく、自社の課題を深く理解した上で最適なCMSを選定し、ベンダーとパートナーシップを築いています。
例えば、多数のサテライトサイトを統合管理し、ガバナンス強化と運用効率化を両立した企業や、グローバルサイトの基盤を刷新し、ブランド価値向上とスピーディな情報発信を実現した企業など、多くの成功事例が存在します。
CMS選定は、単なるツール選びではありません。自社のビジネス課題を明らかにし、将来の成長戦略を見据え、それを共に実現できるパートナーを選ぶ活動です。
今回ご紹介した7つの比較ポイントが、貴社の最適なCMS選定の一助となれば幸いです。もし、より具体的な情報や自社に合ったCMSの選定について相談したい場合は、専門知識を持つベンダーに問い合わせてみるのも良いでしょう。
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